研究機関における派遣社員の使われ方は多岐にわたっています。そもそも人材派遣とは、専門の会社が受けた顧客企業の要望に応じて、適切な人材を出向させ、一定期間労働させるサービスのことです。研究機関においては、専門性の高い技術や知識が必要とされるプロジェクトや業務に対して、専門的なスキルを持つ社員を活用することがあります。それらの機関における派遣社員の活用例としては、大型のプロジェクトにおいて、一時的な人員不足を補うために派遣社員が活躍する場合があります。
また、特定の専門分野の研究を行う場合には、その分野に特化したスタッフを配置することで、より高度な研究が進められることがあるでしょう。さらに、そういった機関が地方にある場合、人材確保に苦労することがあります。そのような場合には、大都市圏に拠点を持つ会社が、地方の大型機関に専門的な人材を出向させることで、人材確保の課題を解決することができます。しかし、機関において出向社員が利用されることには批判的な意見もあります。
派遣社員の待遇や雇用形態が不安定であるため、彼らのスキルや経験を十分に生かすことができず、その機関の活動の質の低下につながる可能性があるという懸念があるのです。また、正社員との待遇差によって、やりがいやモチベーションが低下し、出向社員の定着率の低下につながることも考えられます。そういった意味合いも含めて、状況が許すなら正社員の採用をまず検討し、一時的な補佐として考えておくと良いかもしれません。